活動リーダーが、がんばりすぎてしまう…

【8】活動リーダーが、がんばりすぎてしまう…【中西勇樹】

【4】と【6】では「性弱説」という考え方をご紹介してきました。
今回は「活動リーダー」や「管理職」の立場に立った時に「性弱説」がどのように活用できるかについて考えてみましょう。
Kaizen活動では、チームの活動リーダーを決めて活動を開始します。Kaizen活動は、自主的に行う活動であり、メンバーはリーダーの指示で動くわけではありません。ただやはり、活動リーダーが活動の中心となり活動を進めていきます。
 
Kaizen活動を行う中で、リーダーだけが、がんばりすぎてしまうことがあります。
背景としては「Kaizen活動は、業務の一環で行う」という方針が、メンバーに十分理解されていないことにありそうです。

職場で業務が繁忙になると、Kaizen活動の時間が脇に追いやられてしまいます。
そうなると、Kaizen活動が進まなくなり、リーダーが責任感を感じて「自分だけでも」と活動を進めます。
そうなると、メンバーは、リーダーに頼ってしまいます。
結果として、リーダーばかりががんばってしまい、ますますメンバーはリーダーに依存してしまう…。
こんな悪循環に陥ってしまうことがあります。
こんなとき活動リーダーは「性弱説」に立って、行動を見直してみてはいかがでしょうか?
 
性弱説は「人間は、性善なれども、弱し」と考えます。
このような場合は、活動リーダーから、上長やメンバーに対して
「自分だけでは、活動がうまく回せない。リーダーである自分を助けてほしい」と
発信します。つまり「自分は弱い」「力が無い」と受け入れて、自分から周囲に助けを求めていくのです。
 
それは、すこし勇気のいる行動かもしれません。しかしその行動は、結果的に周囲のメンバーの行動を引き出し活躍させることにつながります。
リーダーは「自分の弱さを見せることでメンバーの活躍を促す」というサーバントリーダーシップを発揮できるといえそうです。
 
これは、職場の管理職にも同じことが言えるかもしれません。
管理職自らが、周りを頼ることで、メンバーの力を引き出すことにつながります。
活動リーダーや管理職など、上に立つ人こそが「性弱説」の考えをとることが、求められるのかもしれません。
 
ただ「自分は能力が無い」「自分は出来ない」と職場で発信することは、ある種の恐れを感じる行動だともいえそうです。
職場で率直に意見が言える「心理的安全性」が感じられないと、なおさらそう感じられることでしょう。
 
次回は「心理的安全性」について考えてみましょう。

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